カウンター偏重のフランスは未だ強豪にあらず

 負けた気が全くしない一戦だった。セットプレーから先制を許したフランスは、最後までゴールを奪えない。フランス復権をなしたデシャン監督だが、その戦術がカウンター偏重だった感は否めず、守備を固めた強豪国を突き崩すには至らなかった。(準々決勝 ドイツ1-0フランス)



 「両者の対戦は28年ぶり」といわれると、最後に戦ったのは86年のあの試合ということか。しかし、こちらの期待は裏切られ、試合はとんでもない凡戦になった。序盤に先制したドイツは後半になると守備を固め、フランスも精度を欠く攻撃しか見せられなかった。
 事前にチーム内でインフルエンザが流行などという記事もみたが、蓋を開けてみればミュラーもエジルもラームもピッチにいた。強いて言えばメルテザッカーはいなかったが、ボアテングのセンターバック起用は以前の試合でも試し済み。
 前半10分のゴールはフリーキックからだった。直接狙うにはいささか遠い位置であり、クロースの上げたクロスをフンメルスがヘディングで決めた。画面をみる限り、マークについたヴァランを両手で押しのけているようにも思えたのだが、主審のお咎めは一切無し。あの程度はもはや見慣れたものといわれればそうなのだが、かといって応援している側からすれば納得がいくわけもない。こうやって洗礼を受け、若くて優秀なセンターバックも汚いプレーを身につけていくのかと嘆息する。前日のブラジル対コロンビアでも、チアゴ・シウバには少しがっかりしたし。
 実際、リードした後のドイツは、こちらが抱いてきたイメージとはかけ離れていた。自陣で厳しくいくのはわかるが、前線からえげつないファウルを繰り返すのは理解に苦しむ。ゴールから近かろうが遠かろうが、ボールを奪う気のないファウルには徹底的にペナルティを課すべきだと思う。試合を通してイエロー2枚で済んだのは、ちょっと信じがたい。
 とはいえ、フランスが攻めあぐねたのも事実だ。ベンゼマが気を吐いたのに対し、グリーズマンの拙いトラップはしばしばドイツに時間を与えた。バルブエナも決定的な仕事はできなかったし、リベリーの不在は小さくなかった。デシャンらしいカウンターアタック偏重の戦術でここまで勝ち上がってきたものの、結局のところ、強豪相手には打つ手がなかったともいえる。ナイジェリア戦は、明らかに逆の立場になって勝ったわけだし。
 どうせなら、ジルーをもう少し速く投入すべきだったかもしれない、とは思うが。

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