伏兵エンポリから主導権奪えず・トーレス初ゴール、本田は同点弾


 勝利が求められる試合だったが、ミランは序盤から立て続けに失点してしまう。前半終了間際に初先発のトーレスが1点を返すも、エンポリのスピーディな攻撃に押し込まれ、主導権を握ることができなかった。57分には本田が今季3点目となる同点弾を決めたが、最後まで勝ち越すには至らなかった(第4節 ミラン 2-2 エンポリ)。


 前節のユーベ戦を落としたミランにとっては、ここを勝利して出直しを図るはずだった。大事なターニングポイントにインザーギ監督は、新戦力のFWフェルナンド・トーレスとMFヒンケルが先発させ、前節の布陣からエルシャーラウィとポーリを引っ込める。出場停止から復帰したボネーラの代わりに弾き出されたのは、予想通りやはりラミだった。
 立ち上がりから積極性を見せるエンポリに対し、ミランは慎重にボールをキープして自らのペースを掴もうとする。しかし13分、押し込まれていたはずのエンポリがコーナーキックを得て、あっさりと先制ゴールを奪われてしまう。ボネーラがDFトネッリにマークを外され、ゴール正面でヘディングシュートを許してしまった。
 このゴール以降、エンポリは主導権を握り、スピーディなビルドアップから度々ミランのゴールを狙う。そして21分、サインプレーに対応できず、またもセットプレーから失点する。ポストに入った選手に危機察知能力に優れたデヨング、ボネーラの二人が反応してしまい、ゴールを決めた選手がフリーになってしまった。先制点も含めてこの日の失点はいずれもボネーラがらみで、守備面の問題点が露呈したかっこうだ。
 とはいえ、ラミやメクセスが彼よりうまくやれるかというと、疑問である。問題なのは、インザーギがカバーリング能力を重視してボネーラを起用しているのに、チームがそういう試合展開に持ち込めていない点にあろう。古株への思い入れゆえかもしれないが、主導権を握るサッカーをめざすなら、ボネーラのチョイスは間違っていないと思う。
 31分には、加入後初めて出場だったヒンケルが、負傷交代してしまう。インザーギは同じポジションの代役ではなくボナベントゥーラを送り出し、陣形を4-2-3-1へ変更する。すでに0-2になっていたとはいえ、早い時間での思い切った判断だったろう。劇的な変化をもたらすまでには至らなかったが徐々に攻撃の時間が増え、43分にはトレースが移籍後初得点を叩き出す。右サイドバックのアバテがニアに上げたクロスに対し、ヘディングで背後へそらしてGKの守備範囲外へ流し込んだ。崩し切ったとはとても言えないが、ファインゴールだったのは間違いない。

 1-2で迎えた後半、インザーギはスタートからムンタリを下げてポーリを送り出した。これまでの3試合からも明らかだが、ゴールが必要なときの彼の判断は極めて早いと思う。だが、チームは最初のプレーで果敢に攻め込んだものの、ボールを失うと返す刀で逆襲を喰らい、いきなり出鼻をくじかれる。結局、主導権を握ることはできず、エンポリペースで試合は進んだ。
 3点目を失うのも時間の問題だろうと思われた57分、本田が同点ゴールを奪う。エンポリが未だDFラインを高く保つなかで攻め込み、アバテが中央に流れていた本田へパスを送ったもの。受けた本田は縦に勝負するのではなくフェイントでシュートコースをつくり、ゴール右隅へ転がした。できもしないことをあえて試みず、うまいプレーをしたと思う。
 エンポリ側からすれば実際、本田は予想外の選手に違いない。トーレス、メネズ、ボナベントゥーラといった顔ぶれからすると、まずドリブル突破がない彼は最も警戒の必要がなかったはず。そんな選手が密集した中央へ流れてきても、場合によってはカウンターチャンスのお膳立てにもなる。しかも右サイドバックのアバテは、ワンツーが不可能だと知りながら本田へパスを送っている。仮にボールを奪われればミランの右サイドはガラガラで、このリスキーなプレーを考えもせずにできるのが、アバテの強みでもあり弱みでもあろう。
 この本田の同点弾を境にゲームはミラン側に傾いたが、最後まで勝ち越しゴールは奪えなかった。62分にはトーレスが左サイドで粘って折り返すものの、チャンスを得たメネズのシュートはバーを叩く。81分には、メネズ、本田の起用でババを引いているパッツィーニが出場したが、個人的には本田を下げてエルシャーラウィを出してほしかった。

 これで3ゴールとなった本田だが、率直に言ってゴールと守備面以外ではほとんど貢献していない。影のストライカーとして十分に機能しているとは思うが、ゴールが稼げなくなればレギュラーポジションは危ういだろう。本人もわかっているのか、またぞろ独り善がりにシュートに行き、あさっての方向へ飛ばす悪い癖を見せていた。ミラニスタとしては、縦に勝負できず、しかもビルドアップにも貢献できない選手を使い続けるのは、本音を言えば疑問である。4-3-3ならポジションを一つ後ろに下げられるし、それが試せるのはモントリーボのいない今だと思うのだが。

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